「権力」の気配と丁寧な暮らし

COVID-19が直接あるいは間接的に自分や身の回りの人の生活を制限するようになってから、Twitterで呟くことがずいぶん減った。呟こうと思うことが何一つ「本当でない」気がしたのだ。

普段は何食わぬ顔でツイートしている生活や風物やカレーのことについて、そのことよりももっと大事な、言及すべきことがあるような気がしてならなかった。誰から求められているわけでもないけど、その何かを知らんふりしてツイートボタンを押すのは不誠実な気がした。

本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停止しております。

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筆者: すなば
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春がすぎれば

朝起きてシャワーを浴び自転車の手入れをして、スーパーマーケットに出かけて買い物をしてそれからずっと家にいた。映画を見て料理をして掃除をしても時間は余る。文章を書こうとするが、どれもこれも自分が書くべき文章のように思えず消してしまう。

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日々は日々の桜並木

外でおちおちくしゃみもできないので、家の中で爆音のくしゃみをした。くしゃみ。この牧歌的な生理現象に、今何よりも恐ろしい形容がついてまわっている。自分の体液に、大切な人を死に追いやる粒子が入っている可能性なんて、今まで誰が意識したことがあるだろう。

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