2017-01-01から1年間の記事一覧

メルカリに売られないプレゼントの選び方

(※急いでいる人は太字だけ読んでください)竹内まりやも歌い始めているが1年で最大のギフトシーズンが今年もやってくる。メルカリをはじめとしたフリマアプリの普及により「いらないプレゼントの見える化」が爆発的に進んだ結果、昨年は怨嗟の声があらゆる方…

夜の飯田橋と銭湯、あるいは川底の街

日曜日だったけど日程の動かせない仕事があり、午後から夕方まで働いていた。仕事を終え、飯田橋でカレーを食べながら僕は、「今日は銭湯に行くしかない」と思っていた。日曜夜の飯田橋は人影もまばらで、閑古鳥の鳴く鳥貴族以外にはほとんど居酒屋も閉まっ…

ベランダにオランウータンがいた

夢の中で僕は、昔家族と住んでいたマンションの部屋にいて、開けっ放しのベランダに面した窓からは、オランウータンの赤ちゃんがハイハイで侵入してくるところだった。 本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停…

BUMP OF CHICKENについて語るときに僕の語ること

僕くらいの歳の人間がBUMP OF CHICKENについて語り始めるときの、あの初恋を思い出す老人のような声の震えは何なのだろう。 本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停止しております。 - - - - - 筆者: すなば →T…

プラネタリウム

※以前やっていたtumblrからの再掲です 記: 2014年8月最近イヤホンを買った。買ったというか変えた。大学生の時に使っていたやつがついに聞こえなくなってしまったので、思い切って値段も評判もいいヤツにした。前のイヤホンが4個買える。 本記事は加筆修正の…

"職業"+"アイテム名"のファッションアイテムはかっこいい

ファッションアイテムの名前はかっこいい。特に、"職業"+"アイテム名"という建てつけでできている名前は最高だ。 本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停止しております。 - - - - - 筆者: すなば →Twitterアカ…

『パターソン』感想 - ポエムを笑う人も詩に生かされている

角川シネマ新宿で、映画『パターソン』を観た。paterson-movie.comTwitterのタイムラインで「見た。よかった」と言っている人が多かったのと、週末の予定がたまたま決まっていなかったのと、公式サイトを覗いてみて好きそうな雰囲気な映画だったので、なんと…

"甲類ビール"の美味さ、あるいは耳垢で耳が聞こえなくなった話

早いもので兼業ライターを名乗り始めて1/3年が経ちますが、ようやく書く仕事をすることができました。news.mynavi.jpこれは本当に美味しいしビール好きもホッピー好きも目先の違う味を楽しめるのでオススメなんですが、素面で仕込んでいる時の本末転倒感は若…

雨の生き物

長い雨に街が煙っている。高いところから(たとえばデパートの最上階の喫茶店などから)その様子を見ると、古い映画のノイズのような雨の線の中に、何かがうろうろと宙をさまよっているのが見えるだろう。長く雨が降り続けるとき、その街の上空には雨の中でし…

もう「モテるでしょ?」って聞くのやめませんか

飲み会でわいわいと楽しく飲んでいる。ツヨシくんが元カノの話をしている。はちみつジンジャーハイボールを飲みかけた女の子がジョッキを持った手を下げて、「でもツヨシくんモテるでしょ?」と聞いた。ツヨシくんは「いや~~モテないよ全然」と答えた。彼の…

ラッパーの遺言

ラッパーの遺言を聞いた。 「YO……YO……」 うん、うん。 「YO……俺は……」 うん。 ラッパーは僕の腕の中で息絶えようとしている。 自慢のドレッドヘアは、枯れ果てて茶色く変色しパリパリだ。 彼はすべての力を振り絞って、僕に最期の言葉を遺そうとしているのだ…

カップルはデート後のLINEをやめよう。幸せになれるかもしれない

今の彼女とはほとんどLINEで連絡を取り合っていない。もっぱら、週に(大体)一度会うときの集合場所や時間を決めたり、当日に到着の連絡をしたり、撮った写真があればそれを送ったり(彼女は写真嫌いなので最近はそれもあまりない)という程度だ。それを人に話…

半妄想転職旅行記・箱根編 その1

※この文は実際の一人旅に架空の道連れが居たら、という妄想を織り交ぜて書いたフィクションです どこでもいいから温泉のある土地へ一泊の旅行に出かけようと決めて、消去法で箱根になった。6月半ばのある晴れた日、僕は帆布のボストンバッグと帆布のトートバ…

石川県・転職旅行記2

前回はこちら comebackmypoem.hatenadiary.com ちょうど地元の高校の下校時間と重なり、七尾線の車内は高校生でごった返していた。中・高と都心の男子校で育った僕は"田舎の高校生"という生き物を全く見慣れておらず「笑ってコラえて」のダーツの旅に登場す…

石川県・転職旅行記1

「間違って入っちゃって」 繰り返しの更新ですっかり印字のかすれたPASMO定期券を受け取った快活な女性駅員は、あぁ、と声に出さず呟いたように見えた。まだ若い。20代前半に見える。 「もう、戻ってきませんか? またきますか?」 神妙な言葉遣いだな、と思い…

「床磨く日々」が僕たちを救う

昔こんな詩を書いたことがある。 僕は棲む 海辺の家に 雲のあり方を見つめる 波間に老人の唄を聴く 床磨く日々をいつくしむ これは最後の一連で、本当はもっと長い詩だ。 本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は…

サンドイッチとロックアイスを入れたアイスコーヒー

「都心真夏日か」と明るいニュースに彩られた穏やかな日曜日の昼食にふさわしいのはサンドイッチとロックアイスを入れたアイスコーヒー以外にはあり得ない。この結論は起床から15分で出た。窓を開け放ち軽く床を掃除して洗濯機を回しシャワーを浴びてパンツ1…

記事を3つ書く間に彼女ができた

タイトルが全てなのだがそういうことになった。comebackmypoem.hatenadiary.comこの記事を書いたときの僕はまぁ一応それなりに落ち込んでおり、それなりに反省することもあり、そしてそれなりに疲れていたのだが当時の自分にはそれが気づけなかったみたいだ…

自由律俳句は俳句じゃないと思っている人へ

自由律俳句、特に無季自由律俳句は、「ただの文じゃん」「俺でも書ける」という批判にさらされることが多い。韻文をかじった人の中には自由律に対しても理解がある人が多いが、それは詩の文脈に自らを置いているからいわば「詩をかぎ分ける嗅覚」のようなも…

男子校出身者の恋と最後の戦場

shiho氏のこの記事を読んで非常に思うところあり、男子校出身者としての所見を述べてみようと思う次第だ。note.mu◇うんこを漏らした記事でも触れたが、僕は中高6年間、都内の一貫校に通っていた。男子校である。うんこを漏らした翌週はからかわれこそされた…