※以前やっていたtumblrからの再掲です
記: 2014年8月
最近イヤホンを買った。
買ったというか変えた。大学生の時に使っていたやつがついに聞こえなくなってしまったので、思い切って値段も評判もいいヤツにした。前のイヤホンが4個買える。
良いイヤホンってほんとに良い音が出るんだな。ほんとに違うんでびっくりしてる。よく「音の解像度が~」とか言うけどあれの意味がやっと分かったよ。
その新しいイヤホンで、仕事終わりに音楽を聴きながら帰っていると、BUMP OF CHICKENの『プラネタリウム』が流れてきた。
『プラネタリウム』は僕が中学2年生のときに出た曲で、僕は発売日の前日に買った。夏の暑い日だったと思う。下北沢のCDショップで買ったのだ。そのCDショップはもうなくて、今はサブカルっぽいシールを売っている。
僕はなんとなく、自分があのとき置いてきたものについて考えた。
あのときの僕は恋を知らなかった。男子校だったし、信じがたいことに、中学に上がって以来女の子と話すことすらなかった。でも、少なくとも、恋とは、女の子とは、限りなく素敵で夢のようなものだった。どこかにある、この世の宝物のような。
そんな僕が聞いていた『プラネタリウム』と、今の僕が聞く『プラネタリウム』は、本当に同じ曲なんだろうか。
見えなくても 輝いてて
触れようと 君の名前を呼ぶ
一番眩しい あの星の涙は
僕しか知らない
胸いっぱいに夏の空気を吸い込んで、部活でヒィヒィ言いながら、
BUMP OF CHICKENの「プラネタリウム」を聴きながら家路をたどっていた……。
夜だっていうのにどうしようもなく暑くて
なんだか知らないうちに、夏になってしまったみたいだ。
「恋がしたい」とか「街コンにいきたい」とか今の僕はしきりに言っている。
素敵な子に会うと、口説くことばかり考える。
「プラネタリウム」が覚えている僕は、
今も夏の日差しの中を歩いているのだ。恋の歌を口ずさみながら。
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筆者: すなば
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