インターネットでの争いについて(踊るのをやめてしまったサボテンに捧ぐ)
もうずいぶん昔の出来事のように思えるが、2月の中頃にサボテンが踊るのをやめた。
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— 川崎 (@_rotaren_) 2020年2月17日
₍₍⁽⁽🌵₎₎⁾⁾
見て!サボテンが踊っているよ
かわいいね
🌵
みんながインターネットで争ってばかりいるので、サボテンは踊るのをやめてしまいました
お前のせいです
あ〜あ
この頃、東京では長い冬の出口が見え始め、季節が変わるのを予告するように、何日かに一度は潤んだ南風が吹く朝があった(ワニもまだ生きていた)。
足音が聞こえるほど近くなった春を待ちながら、ふいにタイムラインに現れたこのツイートを見て、僕は胸を締め付けられた。泣き笑いのような顔になった。
サボテンは踊るのをやめてしまったのだ。
古い友人の訃報を告げられたような気持ちだった。表面的にはおもしろがってはいても、心のどこかで皆が実感をもってこの事実を受け止めざるを得なかったから、川崎氏(@_rotaren_)のこのツイートもここまで拡散されたのではないかと思う。本人の意思はともかくとして(他意のない軽口が本質を突いてしまうことはしばしばある)。
本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停止しております。
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筆者: すなば
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