眠る前の話

何かやり残したことがあるような気がして眠る気になれないのに、体が勝手に非生産的なことを始める。漫然とスマホをもてあそぶ。文庫本を開いてろくに読まないまま机に置く。ソファの上であぐらをかいたり足を下ろしたりする。音楽を聞きたくなってスピーカーから流してみるけど、すぐにうるさく感じて止めてしまう。

夜は川だ。一秒ごとにじりじりと朝に向かって流れていく。川底の淀みの中にいる微生物のように、僕たちもその流れから逃れることはできない。

本記事は加筆修正のうえ『さよならシティボーイ』に収録されています。WEBでの公開は停止しております。

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筆者: すなば
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