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なぜ女子高生は@Copy__writingに騙されるのか - ポエムを褒められたら性犯罪者と思え

ブログを始めることにした。いろんなことを書く。

前置きは省いて、いきなり本題に触れよう。

 

今話題のこのインタビュー。

 

@Copy_writing中の人インタビュー!「インターネットは、すべての話を良い方向に持って行こうとする傾向があるけど、暗いことは暗いことでいいじゃない、と言いたい」 | 青春基地

(追記: @Copy__writingって何? という方はこちらをご参照)

novtan.hatenablog.com

penguin-diary.hatenablog.com

 

インタビュアー・書き手は女子高生である。だから、インタビューや記事そのもののクオリティに関してはひとまず言及を控える。大人の手がどこまで入っているか知らないが、ここまで書けていれば立派なものだろう。

 

@Copy__writingとそのアカウントの管理者であるFall™氏に言いたいことは5万字くらいあるが、それもぐっとこらえる。僕があえて言わなくてもいろんな人が言うだろうし、こらえようとしても200字くらいは言ってしまうと思う。

 

しかし、それをおいても言及しなければならない最大の問題は、「なぜ@Copy__writingはこうまで女子高生を魅了するのか」ということだ。

 

みなさんの高校時代の記憶にもあるように、一口に女子高生と言ってもいろいろと種類がある。かわいいのもいればそうでもないのもいただろうし、賢いのもいればそうでないのも、遊んでいるのもいればそうでないのもいたはずだ。

 

そして、このインタビューを敢行した女子高生。彼女はけっこう賢い部類に入るだろう。プロフィールには「高校1年次に18歳以上の選挙権についてのレポートを書く。カナダに一時期留学。犬を飼っていますが猫派です!笑」とある。飼い犬には同情を禁じ得ないが、少なくとも選挙権に関するレポートを書きカナダに留学(一時期ってどれくらいなんだろうか)するだけの問題意識・向学心は持ち合わせているのだ。

 

しかし悲しいかな、彼女には絶望的なまでにリテラシーがなかった。たとえ読み書きができようと、リテラシーの低さは、この高度情報化社会ではほとんど文盲と等しいハンデになる。このままでは彼女は悪い男に騙されてしまう。断言するが、

 

三島由紀夫の『金閣寺』がおすすめだよ。あとは江國香織の『ウエハースの椅子』。絶望だからね。

 

この種の発言を女にする男に良い奴はいない。 

私怨が入ってしまった。話を戻そう。

 

彼女のインタビューを読んでいて気になったのが編集後記の一文だ。

Fallさんにお会いして、インタビューをすると決めた時から、小説のような記事が書きたいと思っていました。

 それから、インタビュー中にはこんなことも言っている。

11時過ぎ、とか。書き物をしていても、その時間帯だけは辛くなって。大嫌いなメディアを手にとってしまうんです。  

 "メディアが大嫌い"でそれを"手に取る"ということがどういう状態なのかよくわからないが、テレビを見たり雑誌を読んだりラジオを聞いたりすることの彼女なりの比喩なのかも知れない。あるいは、twitterで友達のつぶやきを読んだりミックスチャンネルにクラスのギャルが上げている「今日で3しゅうかんはぁと」みたいな動画を見ることかもしれないな。どうでもいいけど。

彼女のペルソナやクラスでの立ち位置はこの2文からだいぶ見えてくる。つまり、

 

1.ギャル層とも普通に話せる(クラスで浮いているわけではない)

2.つるんで派手に遊ぶリア充グループを敬遠している(しかしたまに一緒に遊ぶ)

3.登下校時には必ず音楽を聞いている

4.sekai no owariを卒業してゲスの極み乙女に移行したが不倫騒動以後はフレデリックに夢中である

5.原宿が嫌い

6.代官山蔦屋書店が好き

7.黒髪マッシュ黒縁メガネ色白チェスターコートニューバランス男子大学生を見て「大学に入ったらああいう人と付き合おう」と思う

8.仲の良い友達へのプレゼントは必ず最寄りの駅ビルに入っているsmithで選ぶ

9.文芸部に入っている陰キャラ(極めて目立たない生徒)を心のなかで見下す

 

何が言いたいかというと、極めて浅い文化的趣味ということだ。たぶん彼女は本当に読書が好きで言葉が好きで美しいものが好きなのだろうし、高校生活では日陰になりがちな内向的趣味を持ちながらもそこそこうまく学校生活を送っていけるだけの社会性と外向性があるのだろう。だからこそこういうメディアに顔を出して記事を書いているのだろうから。

 

で、そういう女子高生こそが、@Copy__writingと最も親和性が高いのである。

 

第一に、@Copy__writingのツイートはおもしろい。それは当然で、経験を積んだコピーライターが数百数千と試行錯誤しながら生み出した名コピーや、作家が精魂込めて書いた作品のおいしいところを持ってきているから。それら一口サイズのオシャレで文学的な情報をよりどりみどりで読めるのだから、おもしろいに決まっている。

 

第二に、女子ウケを露骨に意識している。この手の女子高生はだいたい「smith」に置いてあるようなデザイン雑貨やちょっとひねったコンセプトのシンプルなアクセサリーが好きだが、このアカウントもたまにそういう雑貨の写真をツイートする。コピーライティングはどうした。

 

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これも彼女の言う"繊細で、心に刺さるような言葉"に入るのだろうか

 

第三に、これは受け手である女子高生の問題なのだが、ターゲットがあまりに情報発信ビジネスに無防備である、ということだ。@Copy__writingには、業界の大人たちが見れば一発で「こいつは金をもらっている」と看破できるツイートがある(雑貨の写真も実はその手のものだが)。

 

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ほうほう……。

 

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うんうん……。

 

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おやおや……?

 

F:アカウントでは、基本的に若干いい人を演じている。でも、ちょっとだけいい人を演じたい気分だったらいいことを書くし、むかつくと思ったらぐわっと曲げる。

 

もう多くは語るまい。だが、これを見てもピンとこない女子高生が少なくないことは想像に難くない。インターネットはしていても、Twitterは開いていても、ネットニュースが代理店や種々の企業とスクラムを組んでステマまがいの記事を垂れ流している話題なんて彼女らのアンテナには引っかからないし、山本一郎のブログなどに至っては間違っても読むことはないだろう。

 

なぜか。"美しい物が好き"で"言葉が好き"だからだ。彼女らの世界には、美しい物や耳触りのいい言葉しかいらないのだ。それはたとえば文学であったり、写真であったりする。しかし、彼女らは、300円均一や古着屋で安くオシャレなアクセサリーを買うときのように、その製造過程や流通過程には興味がない。視界が美しいもので埋め尽くされていればそれでいい、という、純粋な心持ちであるがゆえの視野狭窄。その盲点を突いたのが@Copy__writingだ。

 

言い訳が遅くなったが、僕は間違っても女子高生を批判したいわけではない。むしろ山本一郎のブログを読んでいるような女子高生は嫌だし、美しいもので頭がいっぱいの女子高生なんて、なんとまあ愛くるしい存在ではないか。

 

悪いのは、子どもの無知につけこむ大人だ。特に@Copy__writing、テメーみたいな大人である。その悪行をひとつひとつ詳らかにしていく作業は面倒なので他の人達に任せるが、愛すべき女子高生を金が絡んだ大人の汚い都合に巻き込むべきではないし、その純粋な美意識や好奇心を浅ましい金儲けに利用することは広告人やメディアパーソン(インタビュー内で自称している"プロデューサー"であり"コピーライター"であり"アートディレクター"という職業が本当なら)としてどうなんだ。と問いかけたい。

 

女子高生よ、悪い男に騙されるな。

 

ポエムを褒められたら性犯罪者と思え。